Session11【リップトリル】

リップトリルをリップロールと表現する場合もありますが、当連盟ではリップトリルで統一致します。

目次

1:リップトリルの練習方法

必要性を論じる前に、まずは練習方法を記述致します。
以下は手順です。

まずは唇を閉じます。
次に息だけで練習するリップトリルと、発声を加えて練習するリップトリルに分かれます。

息だけの場合、唇を閉じた状態で腹式呼吸により息を口から吐きます。
唇は閉じているので、息が唇を通過する際に唇がバタバタバタバタと、高速で開いたり閉じたりします。
これをロングブレスと同じ時間長く出来るようにすることが、息だけのリップトリルの練習方法です。

発声を加えて練習するリップトリルの場合。
息だけの時との違いは、ロングブレスではなくロングトーンでリップトリルを行うということです。
息だけの時と同様に、ロングトーンのリップトリルはロングトーンと同じタイムが目標です。

ロングブレスのリップトリルもロングトーンのリップトリルも、確実に腹式呼吸で行うようにして下さい。

2:リップトリルの必要性

リップトリルのボイストレーニングにおける必要性は、

* 声帯の緊張を和らげる
* 表情(表情筋)の緊張を和らげる
* 舌の緊張を和らげる

以上の3点です。
人によっては骨格や表情の張り具合によってリップトリルが難しい場合もありますが、なるべく出来るようにしなくてはなりません。
出来るように訓練を積むこと自体が表情の動きの器用さを助長するので、「出来ないからやらない」という生徒がいる場合は、ボイストレーナーが練習を促す必要があります。

3:リップトリルの注意点と補足

リップトリルのバタバタ運動を長時間行うのですが、ロングブレス(息だけ)とロングトーン(声あり)のリップトリルがあります。
ロングブレス、ロングトーン、それぞれ前項で目標タイムを挙げておりますが、それらの目標タイムと同様にリップトリルも出来るようになって下さい。

声を出しながらリップトリルが出来るようになっていれば、息の量も発声に対して安定していますし、発声に力があまり掛かっていないということになるので、通常の口を開けた発声でも声が良く抜けます。

ロングトーンのリップトリルが1分出来るケースがありますが、その場合は声が口を開けている時よりも小さいからです。
ロングトーンと同じ声の大きさでリップトリルを行えば、20秒~30秒程度が限界です。
目標タイムはロングトーンと同じです。

ちなみにロングブレスのリップトリルは、当然声を使っていないので顔の表情を和らげる効果はありますが、声帯や舌の緊張を和らげる作用はありません。

※リップトリルは文字で内容をお伝えすることが難しい練習方法のひとつでもありますので、当連盟が発信している動画コンテンツなどで御確認を頂ければと思います。

-まとめ-
ロングブレス 45秒
リップトリルでのロングブレス 45秒
ロングトーン 20秒
ハミングでのロングトーン 20秒
リップトリルでのロングトーン 20秒(小さい声なら1分)

[guideline]

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