Session10【発声練習~その2~】

本Sessionの練習方法は、総称してダイアトニックスケールでの発声練習です。
レッスンの始まりと終わりに行うと声の変化を理解出来るので、色々なボイストレーニングのカリキュラムの合間に行うと良いと考えます。

目次

1:メジャースケールの練習方法

「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「シ」「ド」がメジャースケール(長音階)と言います。
メジャースケールは色分けした部分が半音で繋がっていて、その他は全音で繋がっています。

世間一般的に良く使われるメジャースケールの練習は、「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ファ」「ミ」「レ」「ド」。
このメロディーを母音の「A(ア)」で発声を行います(慣れてきたら「I(イ)」「U(ウ)」「E(エ)」「O(オ)」でも練習)。
この時、一つ一つの音を切りません。
繋げた状態(レガート)で「アーアーアーアーアーアーアーアーアー♪」と発声します。

さてこのスケール練習を、半音ずつ音高を上げて行います(移動ド)。
スケール練習を“移動ド”で行うのです。
鍵盤楽器(可能であればキーボード)で和音を弾きながら練習する方法が一般的です。
ギターなどの弦楽器になると、チューニングにより音が不安定になる(しかし、その不安定さがギターの楽器としての良さでもある)ので、発声練習には向かない楽器と言えます。

移動ドにより、どんどん高い音域まで発声していきます。
すると表声では難しいポイントに差し掛かります。
ここでファルセットに切り換えて下さい。
一般的に男性はC5、女性はD5ぐらいです(もちろん個人差があります)。
ファルセットでさらにまた高い音域まで上がって、声がもう届かなくなったという状態になったら今度は逆に下がります。
半音ずつ移動ドでキーを下げていって下さい。
そして「これ以下の低音は発声出来ない」という音域まで下がります。
これが一連の練習です。

2:マイナースケールの練習方法

「ド」「レ」「ミ♭」「ファ」「ソ」「ラ♭」「シ♭」「ド」をマイナースケール(短音階)と言います。
マイナースケールは色を塗った部分が半音で繋がっていて、その他は全音で繋がっています。
マイナースケールの練習はこれらを使い、「ド」「レ」「ミ♭」「ファ」「ソ」「ファ」「ミ♭」「レ」「ド」。
このメロディーを母音の「A(ア)」で発声を行います(慣れてきたら「I(イ)」「U(ウ)」「E(エ)」「O(オ)」でも練習)。
この時、一つ一つの音を切りません。
繋げた状態(レガート)で「アーアーアーアーアーアーアーアーアー♪」と発声します。

メジャースケール練習もマイナースケール練習も、移動ドで行います。
キーボードで和音を弾きながら練習します。
メジャースケールと練習方法は同じです。

-追記1-

本Sessionでは様々な確認をすることが出来ます。

* 腹式呼吸の確認
* 共鳴の確認
* 息の量の確認
* 音程の確認
* リズム感の確認 etc.

挙げればきりがありません。
実際に歌を歌った練習も必要ですが、まず基本はこのようなスケール練習での発声になります。
敢えて歌を歌わず発声だけにした方が、弱点が明確になります。
指導するボイストレーナーの側でも、レッスンを受ける生徒に何が足りないのかを明確に知ることが出来ます。

とは言っても生徒によっては、歌をメインで練習した方が良い場合ももちろんあります。
それぞれの生徒が練習方法で何を必要とするのか?
練習方法のメニューをどう組み立てるか?の判断は、ボイストレーナー各々に委ねられる部分もあると当連盟では考えます。

-追記2-

本セッションでは「メジャースケール」「マイナースケール」という表現がありますが、本来正確に記述する場合は「メジャーダイアトニックスケール」「マイナーダイアトニックスケール」です。
しかし、音楽理論を優先することがボイストレーニングガイドラインの主旨ではございませんので、簡略表記致しました。

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