日本ボイストレーナー連盟の鈴木です。
勉強会にて、下記の質問を頂きましたので回答をさせて頂きます。
目次
【質問】歌の練習前の準備運動は何かありますか?
ストレッチや発声練習など効果的な方法があれば教えていただきたいです。
【回答】身体と声、両方に対してのトレーニング
こんにちは。
日本ボイストレーナー連盟 ボイストレーナーの鈴木と申します。
ご質問ありがとうございます。
早速回答させていただきたいと思います。
歌う前の準備運動はもちろんあります。
身体と声、両方に対してのトレーニングを推奨してますので簡単にご紹介させていただきます。
身体の準備運動
スポーツのウォーミングアップでは、ストレッチや軽い走りこみなどを行います。
歌も同じように身体を使いますので温まっていた方が声が出やすくなります。
(特に冬は筋肉が収縮しますので、声帯周りの筋肉をほぐすためにも体温を温めてからの方が良いです)
ではどのような方法が良いか。
- 運動前と同じような入念なストレッチ。
- 軽い足上げ腹筋運動、もしくは軽い有酸素運動(身体を温める程度)
- 舌のストレッチ。舌を右回転、左回転10回ずつ、また舌を思いっきり出してから脱力したりするなど、舌を積極的に動かすストレッチを行う。
- お湯を飲む。
ボーカルは身体が楽器なので、動かして温めた方が、声が出やすいのはもちろん、身体自体に声が響きやすくなります。
4のお湯を飲むに関しては運動ではありませんが、身体を中から温めるという意味では効果的です。
声の準備運動
発声練習は無理のない発声から始めて下さい。
いきなり大きな声を出したりするとかえって声が出なくなってしまいます。
- 裏声、もしくは低音の出しやすい音からのスケール (「ドレミファソファミレドの音階) 発声練習。
(特に裏声は声帯周りの筋肉をしっかり使うため、声の立ち上がりが早くなります) - リップトリル・・・唇をブルブルと震わせてスケール発声をします。
- タントリル・・・いわゆる巻き舌です。リップトリル同様スケール発声をします。
- 「あいうえおの一分間運動」・・・「あいうえお」をしっかり一分間繰り返し発声し、声のウォーミングアップと表情筋のストレッチを同時に行います。(身体の準備運動も兼ね備えています)
いかがでしょうか。
既に行っているものもあるかもしれませんが、改めて「身体」と「声」、両方から準備を整えるというに意識していただくと良いので是非取り入れてみて下さい。
一般社団法人 日本ボイストレーナー連盟
ボイストレーナー/鈴木 智大