感情を込めて歌うということが難しいです。

日本ボイストレーナー連盟の鈴木です。
勉強会にて、下記の質問を頂きましたので回答をさせて頂きます。

目次

【質問】感情を込めて歌うには

感情を込めて歌うということが難しいです。
今ボイストレーニングに通っているのですが、よく先生に「感情を込めて」と言われます。
どうやら私の歌は無感情に聴こえるようです。

気持ちを込めるというのは、その歌詞の内容に沿って感情を伝えるようにすることだと思うのですが、どのように歌ったら感情が伝わるのかがわかりません。
何か練習方法があるのでしょうか。

【回答】

こんにちは。
日本ボイストレーナー連盟 ボイストレーナーの鈴木と申します。

ご質問ありがとうございます。
早速回答させていただきたいと思います。

練習方法というよりも訓練を重ねるという捉え方の方が近いです。

例えば役者さんは涙を流す必要がある時、悲しいことを思い出して涙を流すなんていいます。
そして必要なシーンで涙を流します。それには訓練が必要です。

歌も表現をするという意味では同じです。
悲しい曲であれば、リアルにその情景に感情移入して、自分自身悲しい気持ちになれた時、涙を流しても良いと思います。その上で歌うくらいが良いです。

訓練に必要なこと

≪人生経験≫

恋愛や人間関係、たくさんの経験をして色んな感情を経験するということです。
その経験は歌に必ず活かせるはずです。

≪音楽以外の芸術作品に感動する≫

絵画やアート、演劇や映画など、音楽はもちろん、それ以外の作品にもたくさん触れ、
感動し、感性を磨くことが大切です。

≪ステージ経験を重ねる≫

実際に自分自身、ステージ経験を重ねていきましょう。
そうすることで、聴衆を目の前に「伝える」という実際の経験の積み重ねから
感覚的に伝えることを習得していけるはずです。

≪具体的に人をイメージする≫

感情にはたくさんあります。元気、悲しい、怒る、楽しいなど。
具体的に人をイメージして歌うことで感情移入しやすくなります。
実際、アーティストのレコーディングの現場で、ラブソングを歌う時に恋人の写真を見ながら歌うということをする方もいるくらいです。
その楽曲のイメージしやすい人を想って歌うと良いでしょう。

まとめ

以上4つ挙げましたが、
「感情を伝える」には「どれだけ感情移入して、本気で歌えるか。」ということがポイントになります。
当然、その歌に自分自身が感動していないと感動させられません。

例えば、本気で怒った時は声が無意識に大きくなったりします。
また、悲しい時は自然と涙が流れ、声は震えるかも知れません。
感情は自然と沸き起こってくるものです。

歌も同じです。

感情移入することで悲しい気持ちになったら、暗く、優しく歌い始めるかもしれません。
明るい気持ちの場合は強い声の歌になるかもしれません。
感情のまま、感じたままに歌うことが嘘偽りない自分自身の感情表現です。
(もちろん曲ですので、メロディ・歌詞は決められている上での話ですが・・・)

そうすることで、自分自身の感情が露骨に表に出て、歌声にも表れてくるのです。
どれだけ本気でその感情になれるかがとても重要ですので、もしまだそこまで入れ込めていないのであれば、改めてその曲と向き合うことをオススメします。
きっとあなただけの歌の表現があるはずです。

その歌を聴いて感動する感動しないは人からの評価です。
今ボイストレーニングに通われいるのであれば、先生に判断していただける環境はあるかと思いますので、是非先生に聴いていただきながら磨いていって下さい。

一般社団法人 日本ボイストレーナー連盟
ボイストレーナー/鈴木 智大

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