日本ボイストレーナー連盟の鈴木です。
勉強会にて、下記の質問を頂きましたので回答をさせて頂きます。
【質問】歌い終わりで声が震えてしまう
バラード等で歌い終わるところを伸ばそうと練習していますが、
声がどうしても震えてしまいます。。。
自然にビブラートが出来ているのかな？と思って歌をやっている友達に聞いてみたりしたんですが、
「それちょっと違うんじゃない？」と言われてしまいました。
これは本当にビブラートではないんでしょうか？
【回答】声の震えについて（安定感や力みなど）
こんにちは。
日本ボイストレーナー連盟 ボイストレーナーの鈴木と申します。
ご質問ありがとうございます。
早速回答させていただきたいと思います。
私も日々レッスンを行う中で、この手の悩みを抱えている方は多いです。
ご質問者様の声を実際に聞いたわけではありませんが、
恐らく “ちりめんビブラート” というものになっている可能性が高いと思います。
所謂 “声の震え” です。
声をまっすぐ同じ音で伸ばそうとしても自然と震えてしまう現象です。
そもそも全くならない人もいますが、なってしまう方からしたら深刻なお悩みかと存じます。
そもそも何故声が震えるのか。
原因と解決方法をお伝えしたいと思います。
声が震える原因と解決方法
原因としては
①息が不安定
②肩、顎、舌の力み
③舌の筋力不足
④喉が開いていない
などが考えられます。
一つずつ解決策をお伝えしていきます。
息が不安定な場合
①歯と歯の間から「スーーー」と息漏れさせるようにして息を安定的に吐いてみて下さい。
息が同じ量を一定に吐き続けられれば良いですが、息にムラが出るようであれば息が不安定な事に原因があります。
ロングブレスのボイストレーニングを行って下さい。
肩、顎、舌の力みがある場合
②肩、顎、舌に力みがある場合、単純に力んでいることで筋肉が固くなって、
声の共鳴ポイントがブレて声が不安定になります。
できるだけ脱力を行って発声できるように心がけましょう。
舌の筋力不足の場合
③②のように、力みによって声が不安定になる場合もありますが、
逆に舌の筋力不足によって、常に舌の位置が安定せず、発声している間ずっと舌が揺れてしまう場合があります。
（鏡で確認してみて下さい。大きく揺れてしまう場合も多いです）
舌が揺れることで息の通り道がブレてしまって声が震えます。
舌のを回転させたり、思いっきり出して一気に脱力したりして、舌の筋力トレーニングを行いましょう。
喉が開いていない場合
④喉が開いていない場合、これも息の通り道がブレて声が安定しません。
発声の基本である姿勢・腹式呼吸・喉の開きを再確認して下さい。
基本を怠るとすべての発声が崩れてしまいます。
①が出来たとしても②～④が出来ていないと改善されません。
④が出来たとしても①～③が出来ていないと改善されません。
同時にいくつか欠けているポイントがある場合は、同時に解決できるようトレーニングを行ってみて下さい。
発声で問題が生じた場合、原因と解決方法は必ずありますので、
1つずつ焦らずクリアしていけるようにしましょう。
・どの原因が自分に当てはまるのか
・きちんと改善できているか
というのは、なかなか自分一人では判断しづらいものです。
当連盟では、資格を持ったボイストレーナーを紹介させて頂いておりますので、ボイストレーナーをお探しの場合は是非お問合せ下さい。
一般社団法人 日本ボイストレーナー連盟
ボイストレーナー／鈴木 智大
