こんにちは。
日本ボイストレーナー連盟ボイストレーナーの青木亮です。
勉強会にて回答できませんでしたが、頂きましたご質問に回答させて頂きます。
今回の質問内容は、『外国人は日本人よりも歌が上手いのか?』について考察してみたいと思います。
かく云う私も実は自分が中学生ぐらいの頃は、テレビで黒人ボーカリストが出ている場面を目にしたり、耳にしたりすると、ほぼ全員に対して「上手い」と思ったものです。
総じて、私のボイストレーナーの経歴は17年になりますが、確かに外国人の方が日本人よりも歌が上手な方が多いです。
しかし、実はそこには『子供から大人になるまでの生活習慣の違い』が大きいというものがあり、歌の良し悪しで考察すれば日本人だから良い悪いとか外国人だから良い悪いというものはありません。
言語が違うだけなのです。
日本と外国の音楽的な生活習慣の違い
さて、前述させて頂いた『子供から大人になるまでの生活習慣の違い』とは何でしょうか?
この場合の生活習慣とは音楽的な生活習慣の事です。
日本の場合
まず日本だと、子供の頃に聴いている音楽は何だと思いますか?
・カエルの歌
・めだかの学校
など、4拍子でメロディーのアクセントも表拍に集中している〝単調な曲”が多いのです。
要するに裏でリズムを取る習慣が日本では身体に定着しないので、難しい曲が歌えなくなってしまうのです。
海外の場合
海外ではどうでしょうか?
例として挙げ易いのですが、黒人の場合は幼少期からR&BやHIPHOPを聴いて育っています(現代の話)。
R&BやHIPHOPは裏の拍にもアクセントを多用していますから、まずリズムから音楽や歌では感化されるという点で日本とは大きく育って行く音楽環境が異なります。
そのまま大人になって行くのでリズムという面では音楽的な差が出て当然です。
日本人が音楽でノリが悪いのもリズムの教養が少ないからなんです。
リズムが良くなると、音程(ピッチ)も実は安定してきます。
理由はリズムが安定しているわけですから精神的にもある程度余力を持ってボーカリストが歌えるので、音程(ピッチ)にも集中し易いというものなんです。
育つ環境と音楽の関係性
さて、ここまでお話しさせて頂いてお分かりだと思いますが、音楽は育つ環境で良い人材が育ち易い育ち難いというのがあります。
しかしながら、外国人だからと言っても誰でも魅力的なアーティスト・ボーカリスト・ミュージシャンになるとは全くもって限りません。
外国人も技術的に下手なアーティスト・ボーカリスト・ミュージシャンは多いんです。
【重要】
リズムや音感(ピッチ)はボイストレーニングで練習すれば大人になってからでも日本人は巻き返しは効きます。
良い歌を歌う為には、歌詞や曲、さらにはもっと深い音楽の和音(コード)、発声能力をボイストレーニング的側面から技術向上など色々理解して行かなければなりません。
理解出来れば世界の壁は崩せると論理的に考えられます。
(これはある程度プロレベルの方々を対象とした話になります)。
子供に音楽を習わせる場合
ちなみに、
これからお子様に音楽を習わせたいと思われている親御さんには、リズムでのノリの重要さを教える事が一番良いと思います。
そこには歌などの音もありますから、勝手に後は音楽に子供は馴染んでくれます。
大人になってから音楽をやりたいかどうかは別としても個人の音楽センスを磨く事はやり方次第ではボイストレーニングの観点からも十分可能という事です、お子さん相手でもです。
そうですね、お子様にはリズム中心のボイストレーニングも良いと思います。
今日は『外国人は日本人よりも歌が上手いのか?』について考察し、さらに日本国内における音楽教育について考察致しました。
ご参考までにお読み頂ければ幸甚です。
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一般社団法人
日本ボイストレーナー連盟
マスターボイストレーナー 青木 亮