シャウトに関する質問内容
幸太郎と申します、男性で26歳です。
普段はロックを歌い、ライブハウスを中心にバックバンドを付けながら歌っています。
日本ボイストレーナー連盟を知り、初めてご質問をさせて頂きます。
早速質問なのですが、シャウトの出し方を教えて下さい。
具体的にシャウトというのは舌のポジションですとか、腹式呼吸の状態などが、
どの様な感じに仕上がっていれば出来るものでしょうか?
声が男性の場合、低くなければ練習で誰でもシャウトは出来るものかなぁとは想像出来るのですが。
シャウトを発声する為に具体的にどの様な練習をすれば良いのかをご享受頂きたいです。
いきなりで不躾な質問なのは重々承知しておりますが、是非ご回答頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。
回答:シャウトの出し方について
ご質問ありがとうございます。
シャウトの出し方について、回答させていただきます。
大前提としてお伝えしたいことが、シャウトは基本的に喉に負担がかかる発声方法のため、無理はしないようお願いいたします。
身体の状態
まず身体の状態ですが、顎・表情筋・肩・胸部等、上半身から頭部にかけてしっかりと力を抜きます。
立って行う場合は、足を肩幅くらいに広げることで、上半身に余計な力が入りづらくなります。
腹式呼吸について
そして腹式呼吸についてなのですが、状態は通常の発声と同じです。
スポイトのように力を抜いた状態で息を吸い込み、発声と同時にお腹周りに力が入り、勢いよく発声ができたら良い状態だと言えます。
発声と同時にお腹周りに力が入るというのは、横腹(腹横筋)が発声と同時に外側に押し出る状態です。
高音になればなるほど、この腹横筋での支えが必要になってきます。
舌について
舌については、しっかりと力を抜くことが重要です。
そしてシャウトの特徴として、舌の奥部分と喉の咽頭部分が、発声と同時に振動し合う状態になり、シャウトが生まれます。
(『空気でうがいするような感じ』や『カラスの鳴きまねをするように』等と表現する人もいます)
まとめ
力を抜いて、発声と同時に、舌と咽頭部が振動し、腹横筋が身体に対して外側に押し出され、その声が口腔内や鼻腔内でしっかり共鳴できている状態をしっかり作ることができるように繰り返し練習して下さい。
すべてがバランス良くできることが重要ですので、苦手な部分があるようでしたらまずは苦手部分を克服してから行うようにしましょう。
あとは反復練習と試行錯誤を繰り返すことで習得していって下さい。
喉のケアも重要
やり方自体は非常に単純ですが、シャウトをお伝えする上で重要なことがあります。
『喉のケア』のことです。
冒頭でも申し上げましたが、なにせシャウトは喉に負担がかかる発声方法です。
そのため、正しい呼吸・発声等を習得していないにもかかわらずシャウトの練習は行わないようにして下さい。
ただでさえ負担の大きいシャウトは、やり方を間違えると
・喉の炎症
・声帯結節
・ポリープ
に繋がる可能性もあるため、少しでも喉の調子が良くないと感じた時は練習を中断して下さい。
元々喉が弱いと感じる方・強いと感じる方、いずれにしても、
通常の発声を繰り返し行い、発声すること自体に慣れていただき、
声帯の周りの筋肉を鍛えるようにしていきましょう。
普段ボイストレーニングをしていない人がいきなりシャウトするより、
普段ボイストレーニングを重ねている方が上記のことを頭に入れてシャウトするのとでは負担の大きさが違います。
無理しない程度に、違和感を覚えたらすぐに耳鼻咽喉科へ。
それを念頭に練習に励んで下さい。