皆様、こんにちは。
連盟スタッフおよびボイストレーナーの通称Aです。
さて、今日も実際に勉強会で参加者様からご質問頂いた内容について検証してみましょう。
某日の勉強会にて『ボイストレーナーは何を一番に考えるべき?』
というご質問を頂きました。
これについて私と皆さんとで考えて行きたいと思います。
私はこのご質問が出た時に、なんてざっくりした質問なんだろうと思いました。
でも、実は核心を突いている質問でもあるなと思ったので、今日ここでも取り上げてみようと思いました。
ボイストレーナーは何を一番に考えるべき?
う~ん、ボイストレーナーという職業を遂行するに当たって何を一番に考えるべきか。
これはそのボイストレーナーによると考えますが、ボイストレーナーのキャリアが15年ある私の考えは以下です。
『ボイストレーナーは発声だけ教えれば良いってものではない。
声に関連する内容であれば音楽関係でもナレーション関係でもビジネス会話関係でもすべてにおいて賢者であるべきだ。
【プロ】であれ。』
です。
賢者であるべきだっていうのは、表現としては言い過ぎかもしれないんですが、でもですよ。
実際にボイストレーニングのレッスンにボイストレーナーと生徒で一対一になったとしますよね。
そうしたらお友達関係ではないのです。
そこでお金が発生していたとしても、レッスンを遂行する上ではボイストレーナーがリードする側にならないと関係が成立しません。
成立しない関係の元でレッスンを行っても生徒側は何も納得しません。
この人は引っ張ってくれないなぁって印象を持たれる可能性が高いです。
従って、ボイストレーナーはリードする側であり、
すなわちその為には高い知識を持った声の賢者であるべきと考えます。
声に関連した音楽関係の知識とは?
では、声に関連した音楽関係の知識とは何でしょう?
ボーカルトレーニングについて
例えばボーカルトレーニングを行う際にコードトーン以外の白玉部分(ロングトーンで伸ばす様な歌唱箇所)を生徒に歌って貰った際に音程・ピッチがずれたとします。
その際になぜピッチがずれたか教える為には、「コードトーン」が何であるかをまずボイストレーナーが理解していないと教えようがありません。
コードの構成などを詳しく知らないと「コードトーン」は教えられないでしょう。
音を外し易いポイントというのが存在するので、それを伝える為には音楽そのものを深く理解していなくては対応が出来ないのです。
ビジネス会話について
ビジネス会話でもそうです。
例えば、営業で声に覇気が無くて困ってる生徒が居たとします。
その人は男性だとしましょう。
覇気がない声というのは、どんな声なのか。
それを倍音構造から理解しているのと理解していないのとでは全く対応が異なって来ます。
営業というのは業績を上げる事が目的です。
業績を上げる為には商談相手を説得させなければならない。
その為にはどんな声質にしたら良いでしょうか?
声質という観点だけで考えれば、男性の場合は、「非整数次倍音の構造を会話に持たせて商談相手の人心掌握に有効な声の成分を作り上げる」という事が重要です。
ここまではちなみにボイストレーニングガイドラインには掲載されていませんが、詳しくは…
『倍音 音・ことば・体の文化誌 中村明一著』を一読下さい。
とても良い本です。
プロフェッショナルを貫くために知識や知恵を身につける
ボイストレーナーを職業にする以上はプロフェッショナルを貫かねばいけません。
その為には知識や知恵を身につける必要があります。
つまり賢者じゃないといけないんです、声に関連する事すべてにおいて。
これを一番に考えれば、自分が得意とする教え方も定まって来るでしょうし、どの様な生徒さんを得意とするかも定まって来ます。
自分が得意なジャンルなども定まりますね。
『ボイストレーナーは何を一番に考えるべき?』
回答:
声に関連するプロフェッショナルを貫き通す
です。
一般社団法人
日本ボイストレーナー連盟