日本ボイストレーナー連盟の鈴木智大です。
先日、10月24日に大阪の国土交通省管轄の航空保安大学校にてボイストレーニングの講義を行って参りました。
科目は『発声法』で100分の授業を2コマです。
航空保安大学校に管制科というクラスの約40名に対しての授業。管制科は半年に一度入学をしてくるそうで、常に2クラス。
今回は4月~11月末までの期間の在学生に授業を実施。
航空管制官はパイロットと管制塔からコンタクトをとり、航路を誘導するお仕事。
インカムを使って英語で話すため、滑舌が悪かったり明瞭に発声できないと業務に支障が出てきてしまうのです。そのためボイストレーニングの基礎知識と技術は必須。
基礎となるボイストレーニング
今回は基礎となるボイストレーニングを実施しました。
・姿勢(肩幅に足を広げ、顔はまっすぐ向く)
・呼吸(腹式呼吸)
・脱力(肩や胸の脱力)
・発声(響く声、喉を開く)
最初からこれらを全て完璧に出来るようにするというのはとても難しいため、まずは姿勢と腹式呼吸を全員でトレーニングしました。
どうしても肩や胸が上がってしまう方もいましたが、多くの方が出来ていました。
それを踏まえて脱力、そして発声。
発声においては用意した小説の文章を一部抜粋した6行くらいの文章を音読するトレーニングを行いました。
どうしても声が内側に向いてしまう方、声が遠くまで届かない方がいましたがあくまでも「明瞭に発声する」ことが大切なため、声は小さくても通る声を作ることを意識して頂きました。
滑舌の改善
最後は滑舌をしっかりさせるための早口言葉。
今回は早口言葉を繋げた文章をスムーズに音読出来るようにトレーニングして頂きました。
最初は全く言い慣れない言葉のため皆さん躓いておりましたが、最後の方はだいぶスムーズに読めるようになっておりました。
滑舌も発声も苦手な方、ボイストレーニングが初めての方でもしっかり一つずつやり込めば1日のボイストレーニングでもかなり変化することを改めて実感しました。
航空管制官の講義は次回は来年の2月頃。
またご報告させていただきます。
一般社団法人 日本ボイストレーナー連盟
運営委員長 / 鈴木 智大