2016年、2月18日と19日。
滋賀県の立命館大学草津キャンパスのアカペラサークル、song-genics様からのご依頼により、
ボイストレーニングを当連盟の代表理事でマスターボイストレーナーでもある青木亮が執り行わさせて頂きました。
本記事は当連盟スタッフが青木亮に対して質問する形で、レッスン当日の状況などをアップさせて頂きます。
2日間で35名を対象にボイストレーニング
スタッフ
『今回のご依頼は青木代表がお一人で、という事でしたが、レッスン対象の人数は大体何名ぐらいですか?』
青木亮
『アカペラサークルさんの人数がおよそ300~400名全体で所属されている様ですが、
今回はマンツーマンでのレッスンを希望されていましたので約35名を2日間でレッスンしました。』
限られた時間で生徒さんの課題を見抜くためには
スタッフ
『2日間でしたが、1名につき何分ぐらいのマンツーマンのレッスンでしたか?』
青木亮
『やはり35名ほどを2日間で全員見させて頂くとなると、20分という短い時間の中でした。
この様な短い時間の場合は相手のスタンスに合わせた内容を行います。
一般的にアカペラグループはリード、トップ、セカンド、サード、ベース、パーカスと大別されますが、
マンツーの生徒さん(仮にベースの方)を私が教える場合は実際にベースパートのガイドを鍵盤を鳴らしてプレイして貰いますね。
プレイして貰うと課題が見つけ易いんです。』
スタッフ
『課題と言うと?』
青木亮
『ん~…、残念なんですが20分ではすぐにその場で上達させるのは困難なんです。
少しは上達するでしょうけども、もの凄く上達させる事は出来ません。
ですから、課題を見つけて当連盟のボイストレーニングガイドラインのどこを講義後に勉強したら良いかを伝える様にしました。』
ボイストレーニングガイドラインのダウンロードはTOPページから
スタッフ
『なるほど、課題が分かれば青木代表が居なくても後々自分で練習出来ますしね。
ただ、20分という短い時間の中でも、簡単に課題を見つける事は出来るものですか?』
青木亮
『普通は難しいと思います。それなりの経験値が必要です。
まして、今回の様にパートが多岐に渡る場合は個人のスキルだけを磨けば良い訳ではありません。
グループですから音楽的なアンサンブルをぶち壊してしまう様なボイストレーニングの内容は慎まなければなりません。
アカペラグループは最終的にはアンサンブルが大事です。』
ボイストレーニング対象者がアカペラグループの場合に配慮すべきことは
スタッフ
『そのアンサンブルを壊してしまう様なレッスン内容とはどういうものなのですか?』
青木亮
『それもケースによりますが、リードは歌に主張性があって良いと思います。
だから他のパートの方々ですね。
例えばトップ、セカンド、サードなどのコーラスであれば声が抜ければ良いという訳ではありません(それだけで良いとは言えないという事です)。
声が抜けるのは出来た方が良いのですけども、その上で他のパートとどう合わせれば良いのかが大事ですよね。
ですから個のスキルを磨く事の方向性がズレてしまう様な内容のレッスンと言いましょうか、そういうのは良くないですね』
スタッフ
『なるほど。私も昔アカペラグループをかじった事があるのですが、アンサンブルって大事だと思います。
uhとかwaとか勢いを全体で付けてサビに入るのとか、大事になりますよね。
そういうコーラスの厚みが出ないとメインも歌い辛い気もしました』
青木亮
『そうなんです。リードを引き立たせる事も重要です。
でも、声のグループなのでリードもピッチやリズムがブレてしまえば全体を壊してしまいますよね。
とことんアンサンブルです』
生徒さんの目標・着地点を理解することが必要
スタッフ
『ボイストレーニングで教える内容についてですが、
生徒さんがやられている事(職種やグループ等の形態)によって、色々分けて考えてやるべき事というのはありますか?』
青木亮
『ありますよ、基本的な発声方法は同じでも、ディレクションなどは分けないと生徒さんも頭の中が真っ白になってしまいますし、先々の着地点が分からないと思います。
このレッスンがいずれ長い目で見て何処に着地しようとしているのか?
それをレッスンの中で教えて行かないといけません。
そういうレッスンが出来る様に心掛けるべきかなと思います』