こんにちは。
日本ボイストレーナー連盟 運営委員長の鈴木智大と申します。
今回はヨルシカのボーカルsuisさんの歌い方について解説していきます。
Youtubeなどでヨルシカさんの動画を見ると、絵で表現しているものが多くあります。
とてもシュールで良い感じです。
それだけでも魅きつけるセンスをお持ちですが、彼女の歌についても分析していきたいと思います。
ハッキリとした発音とアクセント
suisさんはとても明瞭にハッキリと発音されます。
歌は滑らかに流れるように歌い上げているのですが、その声はとても明瞭。
滑らかに歌い上げようとすると、たいていは言葉が曖昧に聴こえたりすることもあるのですが、suisさんは違います。
そして何よりアクセント。
音源から聴こえてくるsuisさんはとてもさらっと歌い上げているため分かりづらいのですが、言葉のアクセントがとてもキレイです。
言い換えるとアタックがあるため強弱がハッキリして歌にコントラストが出ます。
実はこれらにはコツがあります。
私の生徒が普段歌を練習する時、これらのアクセントや歌の雰囲気作りがとても苦手な人が多い。
このような時は言葉の「子音」に注目します。
アクセントや雰囲気作りがうまい人はたいていこの「子音」の発音がキレイ。
「ら行」が苦手でしたら「ら行」の練習をひたすら行います。
suisさんの場合は特に「た行」の発音が特徴的。ハッキリTの音が聞こえるように発音をされます。
これが彼女の歌の特徴であり魅力の1つであるように感じます。
アクセントは子音の鳴り方で決まります。
Tの音、Rの音、Dの音など、舌で弾いて作られる音は特にアクセントやアタックが作りやすいため、苦手な方は子音のトレーニングを行うと良いでしょう。
滑らかさを出す
アタックもアクセントもしっかりしていながら何故あのように滑らかさが出せるのか。
秘密は“息の使い方”にあります。
アタックやアクセントが強すぎると、多くの方は息の流れも止めてしまい角ばった歌になってしまうことが多い。
しかし、息の流れは止めず、流すように歌うことで滑らかさを保つことが出来るのです。
特にメロディが切れている箇所でも滑らかさを出した方が雰囲気良く歌える部分がありますが、そういった部分でも息を繋げるような“イメージ”で歌うことで息の流れや声の強さが保たれて滑らかさを出すことが可能になるのです。
suisさんはまさにこれをとても分かりやすく実現されている歌い手さんの1人です。
まとめ
ヨルシカさんの音源を聴くととても簡単そうに歌っていますが、やってみると意外にも難しいものです。
録音と歌唱を繰り返すことでイメージに近づきやすくなりますので是非試してみて下さい。
ボイストレーニングの勉強会も定期的に開催しております。是非ご参加ください。
[study]
一般社団法人 日本ボイストレーナー連盟
運営委員長 / 鈴木 智大