【質問タイトル:声帯を鍛えられますか?】
ロックバンドのボーカルをやっています。
31歳の男です。
【質問1】
よく声帯を鍛える事が出来るという記事を色んなサイトで目にする事があります。
しかし、僕としては声帯ってのは鍛える事は出来ないと思っていますが、その認識で正解でしょうか?
【質問2】
声帯を鍛えるよりも喉を開く(つまり共鳴を増させる)技術を身に付けた方が正しい判断だと思うのですが、それで正解でしょうか?
ちなみに僕は今はまだ喉を締めて歌う傾向が強くあるので最近ではハミングを中心にボイトレをしています。
上記2点の質問に加え、今のボイトレ方法に加えて磨ける発声技術をお教え頂けないでしょうか。
ボイストレーニングには通いたいのですが、住まいが田舎過ぎて通う場所が無くいつもこちらのサイトを参考にさせて頂いております。
どうかお願いします。
【連盟技術担当スタッフ:以下回答】
お問い合わせありがとうございます。
そしていつも参考にしていただいているようで、ありがとうございます。
喉の状態や筋肉等、ボーカルは他の楽器と違い、目で見て確認できないことが多いので、
わかりづらい部分もあるかと思いますが、なるべく解り易く解説させていただきたいと思います。
★まず【質問1】について。
おっしゃるとおり、声帯自体は筋肉ではありませんので鍛えることはできません。
しかしその周辺の筋肉をボイストレーニングによって鍛えることはできます。
そもそも声はどのように発声されるかというところからご説明します。
声帯は2本の割り箸のような状態になっており、それが離れている時は発声されず、閉じた時に発声されます。
声帯は筋肉ではないため、それ自体を動かすことはできません。
閉じたり開いたりできるのは、声帯の周辺にある筋肉のおかげなのです。
具体的に、ここで一番重要な筋肉が「輪状甲状筋」です。
簡単に言うと、喉仏を下げるための筋肉、喉を開く時に使う筋肉です。
この筋肉は声帯と連動しているため、鍛えることで発声の強化に繋がりますので、是非、
喉仏の上げ下げ
喉を開くことを繰り返してみたり
等、声帯周辺の筋肉を有効活用してボイトレしてみて下さい。
結果的に発声が強化されることにつながると思います。
( ※ちなみに女性の場合は、喉仏の確認がしづらいため、喉仏を下げる運動よりも、舌を基準に喉を開くという方法が解り易いです。)
★【質問2】について。
【質問1】でも回答させていただいたように、声帯を鍛えるよりも、その周辺の筋肉を有効活用して鍛える必要はあります。
よって「声帯を鍛えるよりも喉を開く技術を身に付ける」というよりも
『声帯周辺の筋肉』を鍛えていくボイストレーニング
『喉を開き共鳴させる』ボイストレーニング
両方必要ですので、どちらも身に付けていただけたらと思います。
喉を締めて歌う傾向が強いとのことですので、
おっしゃるとおり、喉を開くボイストレーニングが必要なのは明白ですね。
ハミングは喉を開いて共鳴させないと出来ないため、効果的だと思います。
しかし、ハミングだけではなく、実際歌唱を行った時(各母音、各子音を発声している時)にも同じだけの共鳴が常に行えていますでしょうか?
ハミングはできていても、実際の歌唱になった時に喉が絞まって共鳴しづらくなってはいませんか?
もしそうだとしたら、、、
ハミングと並行して喉を開くボイストレーニングと、各母音の口の開け方のボイストレーニングを行っていただけたらと思います。
喉を開いている状態とは・・・
1:舌の先端が下の歯の先端にくっついている
2:舌全体が下の歯よりも上に浮かない
3:舌が滑らかに安定している(真ん中が凹んだり、盛り上がったりしない)
4:喉から唇にかけて滑らかに、滑り台のように舌が下がっている
以上の4点です。
舌を基準にしていただくことで、喉を開くことが可能です。
鏡を見て、ご自信の舌の状態が正しいかどうか、確認してみて下さい。
基本的な喉を開くことができたら、当連盟の『ボイストレーニングガイドライン』の
Session4【様々な発音】を参照していただき、
「A」「I」「U」「E」「O」各発声時の舌の状態、口の状態を確認して、それぞれの発声でも共鳴できるようにボイストレーニングしてみて下さい。
歌の中でもこれを行うことができれば、喉締めも解消されてくると思います。
喉を締めることは長年の「癖」によるものが大きいと思うので、文章で理解しても実践していくとなると大変な作業になるため、ひとつずつ確実にクリアしてステップアップしていけるように頑張って下さいね。
~連盟スタッフより~