こんにちは。
日本ボイストレーナー連盟 ボイストレーナーの鈴木智大です。
今回は小田和正さんの発声について解説したいと思います。
目次
年齢とキーの関係性
小田和正さんは還暦を超えていらっしゃいます。
普通年齢を重ねると、キーは低くなってくるのが普通ですが、
彼の場合、数十年前の声と現在の声を比較しても
まったく引けをとらない声質と声の高さを維持されています。
長年、第一線で活躍されている一流の方ですので、
当然と言えば当然のようにも感じますが、とても神がかった発声をされています。
今回はその小田和正さんの発声方法について
ボイストレーニング的見解で解説していきたいと思います。
副鼻腔による共鳴
歌をうたう際には、基礎となる “共鳴” が必要不可欠になります。
鼻腔、口腔、咽頭による共鳴です。
共鳴は実はそれだけではありません。
『副鼻腔共鳴』です。
小田和正さんは、この副鼻腔共鳴が特徴的なアーティストさんの一人です。
ではいったい副鼻腔とはどこにあるのでしょうか?
答えは骨の中の空洞です。
それも顔の前面にある頬~鼻~額にかけての骨の内部です。
発声する際はこの頬や鼻、額あたり前面に響かせるように発声することで
副鼻腔での共鳴が生まれます。
一昔前のボーカルトレーニングでは、副鼻腔共鳴を行うことが主流だったようですが、
現在のボーカルレッスンでも当然行います。
共鳴が特段弱い人、元々クリアな声質を更に個性として伸ばす場合 etc…
小田和正さんの歌では、
母音・子音含め、歌詞を伴って歌唱した際、副鼻腔共鳴させることで、
芯のあるクリアな声が生まれ、無理のない発声に繋がり、より自然な高音が実現するのです。
一般社団法人 日本ボイストレーナー連盟
ボイストレーナー/鈴木 智大