こんにちは。
一般社団法人日本ボイストレーナー連盟スタッフです。
今日は、歌唱力を上げる方法についてボイストレーニングの観点から解説をしたいと思います。
まず大前提として歌唱力とは何なのか?
何をもって『歌唱力があるね』と言われるのかを定義付けていきたいと思います。
そもそも歌唱力とは何か
音楽的な側面で考えますと音程(ピッチ)が安定していて、リズムが安定している歌であること。
実務的なパフォーマンスの観点で考えれば、ピッチやリズムも大事ではあるが、それ以上に心に訴えかけることができる歌が歌えるかどうかであること。
この2つが歌唱力とは何かを考えた場合の定義とします。
ちなみにですが、音楽的側面で見た歌唱力と、心に訴えかけられるかどうかを考えた際の歌唱力は、似ているようであれ別物として考えた方が正しいと思います。
音程(ピッチ)とリズムを安定させる
上記の定義を前提に歌唱力を上げるためには、まず音楽的な方法としてピッチとリズムを安定させることが重要と言えます。
そのためには当連盟のボイストレーニングガイドラインに掲載されているSession12【ソルフェージュ】を一生懸命練習して頂いたり、身体的に腹式呼吸を取り入れて共鳴のレベルをアップさせる事(Session16【共鳴の練習方法】)は非常に重要だと言えるのではないでしょうか。
さらに言えば、自分の出音、つまりマイクを通して自分の声がどのように聞こえているのかをしっかりとレコーダー等で録音し都度都度聞いてチェックする必要があります。
音楽的側面を磨いていく場合、都度都度聞いてチェックすると言う行為は欠かせません。
心に訴える事ができる歌が歌えるようになるには
歌唱力を上げていくためには心に訴えかけることができる歌とは、実務的パフォーマンスを上げていくと言う方法になります。
ではどのようにパフォーマンスを上げていくのか。
これに関しては、音楽的側面であるピッチやリズムと言うものはある程度除外してお話を進めていきます。
イントネーションとメロディーの関係性
まず言葉にはイントネーションと言うものがあります。
そして、私達が好きな歌にはメロディーと言うものがあります。
ここでイメージして頂きたいのですが、自分自身が昔から好んでよく聴かれている曲を思い出してみて下さい。
日常会話での言葉のイントネーションの流れと、楽曲の主旋律(歌う部分)のメロディーの流れがかなり似通っている部分が多いと思いませんか?
時代に残る名曲、印象の強い楽曲と言うのは、言葉のイントネーションの流れとメロディーの流れが合致する部分が非常に多い傾向にあります。
この点に関してはボイストレーニングガイドライン(Session17【ボーカルトレーニング】)にも記載をさせて頂いています。
日常的に聴く力を鍛える
しかしながら一般、日常的には『良い曲だな』と思っても、普段から分解して楽曲を聞いているわけではありませんから、上記のイントネーションとメロディーの合致と言うのも、なんとなく右から左に聞き流している方が大半かと思います。
もしくは自分自身で音の流れというものをイメージできない、もしくはイメージすることに馴れていない。
このような状態だと相手の心に響く楽曲と言うのを歌うことが難しくなります。
どの仕事でも職人技というものには共通して言えるかと思いますが、何度も何度も繰り返し練習し腕を磨く事により優れた技を体得できます。
頭で解っていても体が馴れなければ、もしくは考え方に馴れなければ『心に響く歌』は生まれません。
その上で音楽的にもイントネーションの部分でもスキルアップして行くことが可能となるわけです。
以上になります。
本日は歌唱力を上げる方法について思いつく限りの点を申し上げたつもりですが、割とディープな内容であるが故に至らない点も多々あったかもしれません。
これからも一般社団法人日本ボイストレーナー連盟をどうぞよろしくお願い申し上げます。
一般社団法人日本ボイストレーナー連盟スタッフ