小声でも腹式呼吸で発声をする方法について

一般社団法人日本ボイストレーナー連盟です。
今回は『小声でも腹式呼吸で発声をする方法について』ご質問を頂きましたので、ご回答を差し上げたいと思います。
小声で発声練習をすることに慣れてしまっている人の場合は、これは多くの場合よくあるパターンとして書きますが、全部がウィスパーボイスになってしまっている可能性が大です。

結論を先に申し上げますと、小声で腹式呼吸にて発声をするのは簡単ではない、です。
それでは解説していきます。

目次

小声でも腹式呼吸で発声をする方法について

ご質問内容
ハンドルネーム: KK
性別: 女
年齢: 33
ご質問タイトル: 小声と地声の切り替えについて

ご質問内容: 普段、家で練習するときには
裏声をつかったような、胸式呼吸での発声で小声で歌いますが、本当に歌っているような腹式呼吸に切り替えができません。
腹式呼吸のまま、声のボリュームを抑えていくにはどうしたら良いでしょうか。
ご回答の程どうぞよろしくお願いいたします。

ご回答

小声で練習をすると腹式呼吸が難しい理由について

小声で練習するという事は、

  1. 腹式呼吸により腹圧を高めて声を出していくことができない。
  2. 息の量を少なくしてコントロールしながら発声する練習がなかなか難しい。

何よりもご自宅で小声で練習するときに多くの人がやってしまいがちなのは上記の『1』です。
腹式呼吸で発声をする場合、ある程度大きな声を出していないとお腹と上咽頭の関連性を高めて声を出す事はなかなか初心者だと難しいです。
ボイストレーニングの玄人段階まで行けば小声で練習することも十分可能なのですが、そうではない場合はカラオケボックスでもスタジオでも良いので手軽なところを場所を押さえて、大きな声で不自由ないレベルで練習できる環境を作らないといけません。
そのような大きな声を出しても良い環境が基本的にはある状態で、自宅では小声で練習すると言うことであれば体に発声方法がなじみやすいと思います。

『2』の息の量を少なくして行う発声練習と言うのは、声質を硬くする、もしくは声質をはっきりさせたものにする、と言う事です。
喉を締めると言う考え方ではなくて、はっきりした声質と言うのは息の量が少ないと言うことにある程度等しいものです。

重要なのでもう一度書きますが、
はっきりした声質=息の量が少ない発声

です。

腹式呼吸をともなう発声練習を基本とする事が大事

今後歌っていくにあたって胸式呼吸によるウィスパーボイスを主に使った歌唱方法を習得したいと言うことでないのであれば、基本的にすべての練習方法は腹式呼吸を伴ったもので行うと良いでしょう。
これは小さい声で練習する時も腹式呼吸で行った方が良いです。
極端な言い回しで恐縮ですけれども、胸式は基本的には使わないと思った方がうまくいくと思います。

そして何よりも重要なのは基本的には大きな声を出せる環境をまず作ると言うことです。
自分の声がどこまで大きな声が出るのか?
しかも、はっきりした声質で。

これをまずやってみてください。
そうしたら案外はっきりした声と言うのは大きな声でも出せないのではないでしょうか?
大きな声でも胸式的なウィスパーボイスっぽい発声及び歌い方になってしまっているのであれば(中音域以上でも)、現在の練習方法や環境では、やはりまずいので、きちんと大きな声を出せる環境に変えた状態でないといけませんね。
繰り返しになりますが慣れてきたら小声で練習できる環境でも良いです。

何分、実際に声を聞いている状態で回答しているわけではございませんので間違いもあるかもしれませんが、その点はご容赦ください。
もしまた何かわからないことがありましたらお気軽にご質問ください。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次