腹式呼吸における力の抜き方と補足事項について

一般社団法人日本ボイストレーナー連盟です。
今回、ボイストレーニングガイドラインのP10、腹式呼吸に関するご質問を頂きましたのでご質問内容とご回答を掲載させて頂きます。

目次

腹式呼吸における力の抜き方と補足事項について

ご質問内容
生徒へのレッスン時に、”力を抜けば良いのである とだけ伝えると勘違いさせてしまう” とありますが、具体的に合わせて伝えるべき事項があればご教授頂けますと幸いです。
ご回答
まず、ご質問を頂きました内容の該当箇所は下記、Sesssion2の1項になります。
Session2【腹式呼吸の練習方法】 1:腹式呼吸の練習姿勢~ボイストレーニングの練習姿勢~

該当ページの注記に「生徒にレッスンを執り行う場合は、「力を抜けば良いのである」とだけ教えると勘違いをさせてしまう可能性があるので説明には十分注意が必要です。」と記載があります。
確かに腹式呼吸の練習に限らず、力を抜いて歌を歌ったりボイストレーニングを行う事は基本的な部分で最も重要なことだと考えます。

大事なのは本番にてボイストレーニングで習った事を活かす事

しかしながら、実際にパフォーマンスで歌を歌ったり、講演会等で喋っていたりすると、多少なりとも力みと言うものは入ってきます。
アーティストであれば、ステージの上で走るかもしれませんしバク転するかもしれませんし、様々なことをお客さんを喜ばせるためにやると思います。
これらの行動と言うのは力を抜くと言う事と反対の事だと言えます。
しかし実際の現場では、100%力を抜いて声を出し仕事をすると言う事は不可能であり、あまりそう言った事は求められていません。

ボイストレーニングの中では力を抜く事は重要ですが、実際のパフォーマンスの中ではボイストレーニングで学んだことを頭の中にきちんとインプットした上でパフォーマンスをする事が大事です。
そうする事により、ボイストレーニングで学んだことをボイストレーニングの場で100%できたならば、実践の現場で活かせる割合を多くする事ができると考えます。
「ボイストレーニングで100%できていれば現場では動いたって70%位はできる。」という事です。

「力を抜く」と言うことを生徒さんに伝える場合にこのようなお話も付け足してあげると良いと考えます。

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