身長差による腹式呼吸の腹圧の違いについて

ボイストレーニングに関するご質問を頂きましたのでご回答をさせて頂きます。
今回頂きましたご質問は、背丈と腹式呼吸による腹圧の関係性についてのご質問となります。

背丈の高い生徒さんと低い生徒さんの腹式呼吸の腹圧の違いについて解説いたします。

目次

身長差による腹式呼吸の腹圧の違いについて

ご質問内容
ハンドルネーム: わふ
性別: 男
年齢: 15
ご質問タイトル: 記事内での疑問点について
ご質問内容: https://www.voice-trainer.or.jp/knowhow/falsetto/5687
上記の記事内で、
「背の高い生徒さんの場合は、腹式呼吸により腹圧を高めて発声をすることが難しいので、必然的に息の量が背が低い生徒さんに比べると多くなってしまいます。」
とありますが、物理的に考えれば同じ息の量を出すのに必要な腹圧の力の差は一切ないはずです。
なぜ必要な腹圧が違うといえるのですか?
ご回答

身長差によって腹圧に差が出てしまう理由

まず背丈の低い生徒さんの場合は、腹式呼吸に必要な腹部の筋肉部分(腹直筋下部と腹横筋)と横隔膜の位置する場所との距離が背丈の高い生徒さんに比べると短いのです。
短いと言う事はどういうことになるかと考えると、腹部筋肉を収縮させて息を吐く際に下腹部から肺にかかる力のスピード(これを腹圧と考える)が背丈の高い生徒さんよりも一気に高まりやすくなります。
背が高い場合は、筋肉群と横隔膜の距離が長いのでスピード(腹圧)が付きづらいのです。

腹圧が高まる、高まりづらい、と言う事の差は、身長の差だけに関係するだけではありませんが、身長の差はどうしても関係してしまうと言う事実もございます。
ちなみに身長が高いからと言って、腹圧が高まりにくいので身長が高いのはデメリットである、と言うことでは全くなく、身長が高いことによって生じる腹圧による発声の個性と言うものもあります。

「物理的に考えれば同じ息の量を出すのに必要な腹圧の力の差は一切ないはずです」

と言うご質問者様からのご質問に関しましては、同じ息の量を吐き出すことによる腹圧の差は横隔膜と腹部の筋肉群の距離にある、と言うことが今回のご質問への回答となります。

また何かご不明な点があれば、いつでもご質問ください。

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