こんにちは。
一般社団法人日本ボイストレーナー連盟スタッフです。
今回は「魅力のある歌とはどういう歌ですか?」と言うご質問をメールで頂きましたのでご回答させて頂きたいと思います。
魅力のある歌とは『リスナーの心を掴める歌』です
結論から申しますと、魅力のある歌とはリスナーの心を掴む事ができる歌です。
これは簡単に習得できるものではありませんが、理屈の上ではどうすれば良いのかと言う事は説明がつきます。
魅力のある歌い方の手段
以下に列挙するのは、魅力のある歌い方をするための手段です。
- 男女ともに声が抜けること
- 男女ともになるべく非整数次倍音であること
- そもそも声質が良いこと
- ボイストレーニングガイドラインに書かれてあるように、イントネーションを意識し歌詞を歌えること
- 心を込めて歌えること
大きく要因を挙げるとすれば上記の5つだと考えます。
それぞれ理由を以下に述べます。
1.男女ともに声が抜けること
声が抜けると言うのはマイクを通した場合にも、声がしっかりとマイクに入る声であることと、と言うことです(平たく説明するとそうなります)。
声がこもってしまっていては、臨場感はリスナーに対してCDでもライブでも与えることができません。
声が抜ける件に関しては、ボイストレーニングガイドラインや当連盟の別の記事に於いて記載しておりますので、下記の参考記事をご確認ください。
参考記事:マイクを使った状態で「抜ける声」を習得したい
マイクで通る声
Session3【共鳴の必要性】
2.男女ともになるべく非整数次倍音であること
非整数次倍音とは極端な言い方をすれば、政治家が街頭演説をしている時によく耳にするザラつきのある声質などが非整数次倍音の質感を持っています。
この質感を歌っている時に少しでも良いので表現できるとリスナーに対し人心掌握と言う部分に関して成功する可能性が高まります。
実際に政治家は街頭演説に慣れているので、例えば国会のようなところで人の心を掌握するような演説にも長けています。
注:整数次倍音に関しても良い部分はあります。しかしこれに関しては、また別の記事においてご説明したいと思います。
3.そもそも声質が良いこと
声質は生まれた時から決まっているものではありますが、声が良い(成長過程で良くなる)事と言うのは絶対的なメリットがあります。
『2.男女ともになるべく非整数次倍音であること』でも申し上げましたように、技術的に高めていくことも可能ですが、そもそも生まれた時からの声質がどうなのか、と言う点に関しては運頼みです。
しかし、そもそも生まれた時からどうなのか、ということが真理として分かっていなければ技術的に声を良くすることも我々は気づかないものです。
その上でも持って生まれた才能と言いましょうか、声質と言うのはとても大事です。
4.ボイストレーニングガイドラインに書かれてあるように、イントネーションを意識して歌詞を歌えること
楽曲にはメロディーがあり、言葉にはイントネーションがあります。
楽曲のメロディーの流れに沿って言葉のイントネーションをつけたものが歌詞です。
後はそれを上手に歌うだけ。
とてもシンプルですが、楽曲と歌詞の兼ね合いを戦略的に考えて作られている現代のポップスの作風と言うものを理解していないと、我々は上手な歌を歌う事はなかなか難しいです。
こちらに関してはボイストレーニングガイドラインの『Session17【ボーカルトレーニング】』をお読み頂きたいと存じますが、それ以外にも今回記事にさせて頂いているような内容も応用としてご理解ください。
ご理解頂けると、歌唱力はもっともっとアップします。
5.心を込めて歌えること
こちらの件に関してはもはや説明不要かと思われます。
特にバラードですが、心を込め気持ちを込め歌えるかどうか。
これが良い楽曲を歌えるかどうかと言うことに直結します。
歌はもちろん技術だけではありません。
しかしながら、心が大事と言う事はボイストレーニングを受けていると忘れがちで、良い発声ばかりを気にして心が伴わないケースも少なくありません。
技術も大事ですが、心を込めて歌うとは何なのかと言うことを自分なりにもっと考えてアウトプットしていくことが大事になってきます。
以上になります。
本日は「魅力のある歌とは?」について詳しく記事にまとめてみました。
基本的な部分として、腹式呼吸や共鳴と言うのは大事ですが、今回の記事はそれらはもうご理解頂いているものとして解説をしてみました。
いかがでしたでしょうか。
歌というのは奥深いものだとは思いませんか?
このような歌に対する理解が、普段のしゃべると言う事についても影響を大きく及ぼしてくるわけです。
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