1:スタッカートの練習方法
スタッカートとはタンギング同様音楽用語で、楽器全般に使う言葉です。
「その音を短く切って演奏する」という意味です。
ドッグブレスとは違い、ここでは声を使ったスタッカートの練習方法を紹介します。
ドッグブレスでは、息のアタックという点を重要と考えてご説明しましたが、今回は息のアタックではなく、声のアタックが重要になります。
毎回「A」「A」「A」…と、短いインターバルで発声して、どれだけ共鳴とアタック感が出ているかが重要です。
「A(ア)」の場合のスタッカートの発声の注意点を以下説明します。
1. 1秒の間に「吸って吐いて」という腹式呼吸を使った発声を繰り返す。
2. 声が部屋の四隅までしっかり共鳴出来ていること、もちろん自分の頭の中で共鳴が出来ていないといけません(ここまでくるとかなり難しい練習になってきます)。
3. 口の開け方・舌の位置が正しく出来ているかどうかをしっかり確認する(「A(ア)」の場合)。
腹式呼吸で息を吐く時に顎が動いていたり、肩に力が入って動いたりするのは問題があります。
腹式呼吸を使うにしても身体に力が入り過ぎないようにするのがポイントです。
4. リズムを均等に練習を行う。
酸欠状態になって初めは若干苦しいかもしれませんが、30秒間は頑張って練習する。
このスタッカートの練習をマスターすることにより、歌唱時にブレスに余裕が出てきます。
共鳴が出来ているかどうかも確認しながら頑張って練習します。
2:ロングトーンの練習方法
ロングトーンは、声を長く発声するということです。
ロングトーンの注意点は下記3点。
* 安定したブレない声を出し続けられるか。
* きれいに共鳴している声が出ているか。
* 20秒以上発声が出来ているか。
これらがしっかり出来てこそのロングトーンです。
長く発声していて声がブレてしまうのは、息の状態が不安定だからです。
その場合は、まずロングブレスを安定させましょう(Session2参照)。
ロングトーンが出来るようになることでの歌への影響力は極めて大きいです。
結論からいうと、歌唱時の声の安定感が格段と良くなります。
“ちりめんビブラート”という言葉をご存知でしょうか?
ビブラートを掛けたくないのに、掛かってしまうというものです。
簡単にいうと「声のブレ」です。
つまり意図せずに掛かってしまうビブラートと比較すると、真っ直ぐに声を出すスタイルの方が、より難易度が高いのです。
「共鳴した安定感のある声を出す」という目的を持ってロングトーンを頑張って練習しましょう。
かならず大きな成果をもたらしてくれるはずです。