「う」の音が出しにくくてしっかり発声できません

日本ボイストレーナー連盟の鈴木です。
ボイストレーニング勉強会にて、下記の質問を頂きましたので回答をさせて頂きます。

目次

【質問】「う」の音が出しにくい

「う」の音が出しにくくてしっかり発声できません。
歌の中で高い音で「う」や「く」などが来ると「あ」とかを発声するよりきついです。
「あ」等でしたら楽に出るのに「う」だとキツくて出しづらくなってしまいます。
楽に出す方法はありますか?

【回答】口の奥を広げるボイストレーニング方法

こんにちは。
日本ボイストレーナー連盟 ボイストレーナーの鈴木と申します。

ご質問ありがとうございます。
早速回答させていただきたいと思います。

これはどのボーカリストもだいたいつまづくポイントですね。
私もつまづいたことがあります。

おっしゃるように母音の「う」は出しづらく感じるのが自然です。
「う」に加えて「い」に出しずらさを感じる方が多いです。

これはなぜかと言うと、「あ」「え」「お」の口の形を見ると一目瞭然ですが、
これらは口を開きますますが、「い」や「う」は口を閉じます。

「い」の場合、唇は左右に広げますが、上下は閉じます。
「う」の場合、口をすぼめるため、上下左右ともに閉じ気味になります。

「あ」「え」「お」は口自体、しっかり開くため、自然と喉の奥も開いて行きやすいのですが、
「い」「う」に関しては口を閉じると同時に、喉の奥も閉じてしまう傾向にあります。

すると何が起こるか、声の響きが薄くなって、小さな声になってしまいます。
声が出ないからと無理やり出そうとすると喉が締まり力んでしまいます。

ボイストレーニングを行ったことがない方のほとんどはこのような結果になってしまうのではないでしょうか。

ではどうすれば良いのか。

口の奥を広げれば良いのです。

口の奥を広げるには

声はそもそも、口を閉じていても発声できます。
腹話術師を想像してみて下さい。
口を閉じているにも関わらずしっかり話せていますし、歌ですらこなせてしまいます。

これは単に「口を開かないと声が出ない」という理論とは違います。

口の奥を広げる
 =舌の奥を下げる
 =喉仏を下げる
 =口の奥に空洞ができる

このように表現することが多いです。
(これらのうち一番分かりやすい感覚で試していただくと良いです。)

どれも同じように「口の奥を広げてしっかり空洞を作る」ということです。
これができれば、「い」でも「う」でもキレイに響かせ、発声することができます。

口の開き方、喉の奥の状態はクセになってしまっていることが多いため、地道な努力が必要ですが、難しいことではありませんのでしっかりと感覚を掴むことが大切です。

もし「う」の口の形や舌の状態が不明な場合は、
当連盟の発行している『ボイストレーニングガイドライン』を参照下さい。

ボイストレーニングガイドライン Session4【様々な発音】

または、ダウンロードしてご確認下さい。

[guideline]

上手く歌いたい・・・
上手く話せない・・・
喉が疲れやすい・・・
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当連盟で毎月開催しているボイストレーニング勉強会では、声に関する様々なご質問を受け付けております。
声のスキルアップを目指している方は、是非お気軽にご参加ください。

[study]

一般社団法人 日本ボイストレーナー連盟
ボイストレーナー/鈴木 智大

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