航空保安大学校にて航空管制官研修生の方々(約40名)に教鞭を執らせて頂きました。
皆様、こんにちは。
日本ボイストレーナー連盟代表理事及びマスターボイストレーナーの青木亮です。
2015年6月30日。
航空保安大学校にて航空管制官研修生の方々(約40名)に教鞭を執らせて頂きました。
航空保安大学校は大阪の関西空港となりの「りんくうタウン」に在り、国土交通省が管轄する管制官になる為の学校です。
学校と言いましても、生徒の皆さんは公務員として通われているのでお給料も出ています。
要するに研修生と言ってもプロフェッショナルである事に変わりはございません。
現場での”声”を良くするために
そこで課された私へのミッションは、
「積極性・協調性・責任感・精神安定性・表現力」に基づいて
現場での声を良くして欲しいというものでした。
その為に私なりに解釈した結果、現場で行った講義は、
1:ヘッドセットを装着した際にマイクに乗り易い相手の聴き取り易い声を出せる様にする。
2:滑舌を良くする。
3:仕事で長時間声を使っても疲れを最小限に抑える。
という事を目的としました。
航空管制官は空の交通安全を司る職業ですが、勿論『声』についてはプロではございません。
こもってる方もいらっしゃれば、声が大き過ぎる方もいらっしゃいます。
男性も居れば女性の職員さんも半分です。
レクチャーの内容
まず、私の方で用意した練習用の資料は早口言葉でした。
①老若男女
②生麦生米生卵
③隣の客はよく柿食う客だ
④この寿司は少し酢がききすぎた
⑤この杭の釘は引き抜きにくい
⑥瓜売りが瓜売りに来て 瓜売りのこし 売り売り帰る 瓜売りの声
これらの早口言葉を正確に聴き取り易い声でマイクを使って喋る事が出来るかどうか。
5名の研修生をランダムに選出し、やって頂きました。
案の定ではありますが、聴き取り辛い。
どこで噛んだのか?間違ったのか?が明白ではないし、声も篭り気味でした。
その後、
・胸式呼吸での不必要性。
・共鳴のメカニズムと航空管制官に必要な共鳴方法の説明
・整数次倍音と非整数次倍音の違いを説明
・舌の位置の矯正
・ハミングで声が前に出ているかどうかのチェック
・リップトリルの練習方法
・スタッカートで腹式呼吸を使っての発声
・腹横筋の動かし方
などなど
をレクチャーしました。
皆さん、初めは消極的(無理もない)ではありましたが、だんだん実際に声を出したり身体を動かしている内に楽しくなって来たみたいで積極性が出て来ました。
結果的に初めにランダムに選出させて頂いた5名の研修生の方にもう一度マイクを持って貰い、早口言葉を3回ずつ喋って頂きました。
私としては1日でここまで変化が出たか、良かった!!と思えるぐらい滑舌も良くなり、声も滑らかにマイクを通して出る様になり、状況にテンパらないで落ち着いた発声も出来る様になっていて良かったと思います。
胸式もある程度改善もされ、成功したと言っても良いと思います。
ボイストレーニングで難しいのは。
『ボイストレーナー1名』×『専門職多数名(年齢や男女もごちゃまぜ)』というレッスン構図…実はこれが一番難しいです。
今回は研修生の方々も私の講義に段々積極的に寄り添って来て頂けたお陰で良い内容を作り上げる事が出来たかなと思います。
私としても、講義以外でも管制塔の模擬トレーニング室でのやり取りを間近に見学出来たり。
管制官の仕事の中身も色々と教官の方々からお話を伺えて面白かったです。
日本ボイストレーナー連盟では、講義や講習、また一般の方々へのレッスンも引き続き受け付けております。
是非、お気軽にお問合せ下さい。
一般社団法人日本ボイストレーナー連盟
代表理事 青木亮